僕の一番古い夢
7/2日の朝は、地元に住む僕の家族が全員惨殺されてしまったことをTVのニュースで知り、発狂している時に犯人から電話がかかってくるという夢を見てしまい、史上最悪の目覚めを経験した。今まで人が死んだ夢は何度となく見て来たし、その度に夢でよかったと胸を撫で下ろしてきたが、その夢の中の僕は我ながらここまでやるかと驚くほどの発狂っぷりで、目覚めた瞬間もう何年経とうが決して忘れることはあるまいなと確信していた。
僕は夢の覚えが良い方で、昔から今に至るまで、印象の強い夢は断片的だがいくつも記憶から引っ張り出せる。その日はあまりにも目覚めが悪かったので、職場へ向かう途中今まで見て来た怖い夢たちを振り返っていたのだが、ものすごく久々にふと浮かんで来たものがあった。それは最古のもので3歳、ある日の夜に見た夢で、いつも行くショッピングセンターの階段を頭から落ちていく、というものだった。迫る階下の床には自宅の脱衣所にあるマット(ドナルドダックの絵が書いてある)が敷かれていて、そこへ激突する瞬間に目が覚めた。
まぁ夢といってもストーリーなどは全然無いただの光景なので面白さはないのだけれど、この時は文字通り飛び起きて、冷や汗をびっしょりかいていたのをよく覚えている。あまりにも怖かったため布団から出て、なぜか一人真っ暗なキッチンの食器棚から開封してない新品の歯ブラシを取り出して眺めていたのも覚えている。どうしてそんな行動を取ったのか、今でもさっぱりわからない。きっとよほど恐ろしかったのだろう。今のところどんなに夢見が悪くても、布団から飛び起きたのはこの時限りである。22年経っても未だ脳裏に焼き付いて、時々記憶の奥からすっと現れる光景なのだ。