とっておきの春樹

雨が続く。明日の予報は晴れ時々雨だそうだが、あまり期待はしてない。晴れ男の自負は日毎崩れていく。5月に控えた楽しい楽しい1日、そこだけはどうかどうか降ってくれるな。

 

ナチュラルに女子中学生を煽っていた村上春樹は、何冊も挑戦してはその魅力を理解できずに途中で投げ出してきた唯一の作家で、それは中身の問題でなく、文体が苦手だという理由に尽きる。村上春樹が大いに影響を受けたフィッツジェラルドは僕も大好きで、でもグレート・ギャツビー野崎孝訳を読んで本当によかったと今も確信している。村上春樹といえば、誰でも知ってる世界に誇れる偉人だし、長生きしてもっともっと作品を書いて欲しい、日本の顔になってほしいと心底、しかし僕はたぶんずっと好きになれない。みんな春樹を支えてあげてくれ。

 

それでも懲りず、むしろ初めて本当に「読みたい!」と思う春樹の本を最近見つけてしまった。実はツイッターで春樹の話をしたときからすでにそう思っていた。小説でなく紀行文だから、苦手な文体も違ったりしてアレルギーが出ないかもと淡い期待、でもこれでダメなら一生ダメだと覚悟の気概。今やるべきことがひと段落した時の、とっておきの楽しみのひとつだ。

 

それほどまでに読みたくなったきっかけは、最近心から学びたい学問、っていうか世界っていうか、まぁそういうものに出会ったことで、かの本にはそれにまつわるものが色々書いてあるというわけなのだ。ああもっと早く、例えば大学を選ぶころに気づいていれば、と後悔もしつつ、今だからこそ出会えたものだと前向きに学びたい。それでもっと自分の中へ吸収できたら、こんなボカし方をせずに何を学んでいるのかはっきり書いていこう。